泓徳能源、日本の長期脱炭素電源オークションで3年連続落札
2026/5/26

台湾のスマートエネルギー企業、泓徳能源(HDRE)は、日本の「長期脱炭素電源オークション(LTDA)」において、約160MW規模の蓄電池案件を新たに落札したと発表した。日本市場への参入以来3年連続の採択となり、累計落札容量は約560MWに達した。日本・台湾・豪州を軸とした海外展開を加速させ、2029年時点で世界全体の開発パイプラインを9.4GW規模まで拡大する方針を掲げる。
日本のLTDA(Long-Term Decarbonization Auction)は、脱炭素電源に対して長期固定収益を付与する制度で、落札案件には最長20年間の容量収入が保証される。再生可能エネルギーや蓄電池への投資回収予見性を高める仕組みとして注目されている。
2026年度入札では、リチウムイオン蓄電池分野の総落札容量がおよそ552MWとなる中、泓徳能源は約160MWを獲得し、全体の約3割を占めた。同社は2023年からLTDAへ参入し、2024年度には約100MW、2025年度には約300MWを落札している。今回採択された2案件は、鹿児島県および仙台近郊を含む宮城県に立地し、今後は容量市場や卸電力市場と連動した運用を進めることで、長期安定収益の確立を目指す。
日本は同社にとって海外蓄電池戦略の中核市場に位置付けられており、2029年までの国内パイプラインは3.4GW規模に達する見通し。今後は蓄電池を軸に、容量市場、卸市場、需給調整市場へ展開し、電力トレーディングやエネルギーファイナンス機能の強化を進める。
加えて、日本国内ではデータセンター需要の急拡大が見込まれている。データセンターの電力需要は、2025年時点で総電力需要の約2%から、2029年には4%へ上昇するとの予測もある。日本政府も「Watt-Bit連携」政策を推進しており、電力供給とAI・デジタルインフラ整備を一体で進める方針を打ち出している。泓徳能源は、日本国内で保有・開発する蓄電池資産を活用し、データセンターや高電力消費産業向けの電力供給サービス拡大を狙う。
豪州市場では、蓄電池および太陽光案件が開発段階から建設・運営フェーズへ移行しており、2029年時点のパイプラインは2.7GWを計画する。同社傘下の「ZEBRE」プラットフォームを通じ、豪州政府の容量支援制度「CIS」や長時間蓄電支援制度「FERM」への応札を進めるほか、国際金融機関やコモディティトレーダーと「Virtual Tolling Agreement(仮想トーリング契約)」に関する協議も進めている。電力価格変動を活用した収益機会の取り込みを図る。
台湾市場では、約3.3GWの案件を保有。保険会社や戦略パートナーと共同で組成した資産プラットフォームの運用資産残高(AUM)は、720億元(約3600億円)から760億元規模へ拡大した。半導体先端製造ラインの増設によるグリーン電力需要拡大に加え、夜間ピーク需要の増加や系統調整ニーズの高まりを背景に、蓄電池市場の成長余地は大きいとみる。
同社は今後、台湾国内で太陽光発電案件のM&Aも本格化する計画で、2026年内に250〜500MW規模の案件取得を目指す。日本・豪州で蓄積した運営ノウハウを活用しながら、グローバルなエネルギーアセット運営と電力サービス事業の拡大を進める考えだ。



