商船三井など4社、「日NZ水素コリドー」設立 30年代初頭の輸出入開始めざす
2026/3/11

(写真:東京商工会議所で行われた設立総会 2026年3月5日)
ニュージーランド産グリーン水素を日本へ 国際水素サプライチェーン構築を検討
商船三井、大林組、川崎重工業、千代田化工建設の4社は5日、ニュージーランドで生産したグリーン水素を日本へ輸出する事業の検討を目的としたコンソーシアム「日本ニュージーランド水素コリドー」を設立したと発表した。2026年度から事業化の検討を始め、2030年代初頭の輸出入開始を目指す。
同コンソーシアムでは、ニュージーランドを起点とする水素サプライチェーンの構築を視野に、グリーン水素の製造から輸送、利用までを含めた事業性を検討する。将来的には、日本向けの安定的な水素供給体制の確立を図る考えだ。
水素は燃焼時に二酸化炭素(CO₂)を排出しないクリーンエネルギーとして注目されている。モビリティー分野に加え、鉄鋼や化学など脱炭素化が難しい産業分野でのエネルギー転換や、火力発電での混焼利用など、幅広い用途での活用が期待されている。
一方、日本はエネルギー自給率が低く、再生可能エネルギーの比率も限定的であることから、将来的に拡大が見込まれるグリーン水素需要を国内供給のみで賄うことは難しいとされる。このため政府や企業は、海外で生産した水素やアンモニアを輸入する国際サプライチェーンの構築を進めている。
ニュージーランドは地熱や水力など豊富な再生可能エネルギー資源を有しており、グリーン水素製造に適した環境を備える。2024年時点では、同国の発電量の約85%を再生可能エネルギーが占める。政府も水素産業の育成を進めており、将来的にはアジア太平洋地域におけるグリーン水素供給拠点となる可能性がある。
背景には、日本政府が水素の導入拡大に向けて支援制度を整備していることがある。政府は水素の供給コストと既存燃料との価格差を補填する制度の導入を進めるなど、水素の利用拡大を後押しする方針を示している。こうした政策を背景に、日本企業の間では豪州や中東などで水素・アンモニア輸入プロジェクトを進める動きが広がっている。
ニュージーランドは日本と安定した外交・通商関係を築いており、自由貿易協定(FTA)や環太平洋経済連携協定(CPTPP)を通じて経済関係も深い。また、政治的・経済的にも安定しているため、ニュージーランドからのエネルギー調達は、日本のエネルギー安全保障の観点からも重要とされる。
4社は今後、2026年度から具体的な事業化の検討を進め、2030年代初頭の輸出入開始を目標に、水素サプライチェーン構築に向けた取り組みを進める。
参考資料:商船三井プレスリリース



