シーメンス・エナジー、新ブランド「Omterra」始動へ シーメンス・ガメサも統一、日本では広域供給網を加速

2026/7/15

シーメンス・エナジー、新ブランド「Omterra」始動へ シーメンス・ガメサも統一、日本では広域供給網を加速

写真:Siemens Gamesa


独エネルギー大手シーメンス・エナジー(Siemens Energy)は15日、グループ全体のブランドを新ブランド「Omterra(オムテラ)」へ段階的に刷新すると発表した。風力発電事業を担うシーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジー(Siemens Gamesa Renewable Energy)も同ブランドへ統合され、今後はグループ全体が「Omterra」の名称の下で事業を展開する。


ブランド刷新は2026年後半から段階的に実施される予定で、顧客との契約や事業運営、組織体制に変更はない。今回の刷新はブランドの統一が目的であり、シーメンス・エナジーは「グローバル展開や技術力、信頼性をより明確に発信するための新たなステージ」と位置付けている。


シーメンス・エナジーは2020年にSiemens AGから分離・独立した際、一定期間に限って「シーメンス・エナジー(Siemens Energy)」ブランドを使用するライセンス契約を締結していた。契約期間の終了を見据え、グループ独自のブランドとしてOmterraへの移行を決定した。


これにより、2017年にSiemens Wind PowerとスペインGamesaの統合によって誕生した「Siemens Gamesa」ブランドも、段階的にその役割を終えることになる。


日本では「地域連携型」の供給網を構築


ブランド刷新と並行して、シーメンス・ガメサは日本市場で事業基盤の強化を進めている。


同社は2025年、日本経済産業省(METI)との間で「洋上風力官民協力フレームワーク(Framework for Public-Private Collaboration)」を立ち上げ、日本企業のグローバルサプライチェーン参画や投資環境の整備を推進している。


また、日本国内に大型製造拠点を新設するのではなく、日本企業が競争力を持つ分野との連携を重視する戦略を採用している。その一環として電子部品大手TDKと洋上風力向け永久磁石の供給に関する覚書(MoU)を締結し、重要部材の安定調達と供給網の強靭化を図る。

さらに、日本市場を単独で捉えるのではなく、アジア太平洋全体を一体的な供給ネットワークとして運営する体制も構築している。


台湾・台中市のナセル組立工場を地域の主要製造拠点と位置付ける一方、シンガポールの海事会社Marco Polo Marine傘下PKR Offshoreとは複数年契約を締結し、ハイブリッド推進方式を採用したCSOV(洋上風力運転保守支援船)2隻を建造する。


2029年から台湾の洋上風力発電所で運用を開始した後は、日本や韓国などアジア各地の案件へ柔軟に配船できる仕組みとなっており、地域全体で設備や人材を共有する「広域供給網」の構築を進める。


現地化から「アジア最適化」へ


日本では洋上風力の公募案件が今後も続くほか、EEZ(排他的経済水域)の活用や浮体式洋上風力の制度整備も本格化する見通しだ。


風車メーカー各社の戦略も多様化している。Vestasが日本国内で製造・サービス拠点の整備を進める一方、シーメンス・ガメサは政府との協力体制、日本企業との調達ネットワーク、台湾や東南アジアを含めた広域サプライチェーンを組み合わせることで、日本市場への対応力を高めている。


今回のブランド統一は単なる名称変更ではなく、グループ全体を一つのブランドへ集約し、世界各地で進めるエネルギー転換事業をより一体的に展開する狙いがある。日本市場でも、現地化だけでなくアジア全体を視野に入れた供給網の最適化が、今後の競争力を左右する重要な要素となりそうだ。

 



参考資料:Siemens Gamesa, WindTAIWAN



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