台湾の洋上風力、長期運営へ課題 海底ケーブル敷設・保守能力が安定稼働の鍵に
2026/10/22
取材・文:吳育珊/台北
写真:Skipstekniskの営業マネージャー、Anne Mari Relling氏
台湾の洋上風力発電が長期運営の段階に入るなか、運転・保守(O&M)体制や海底ケーブルの敷設・修理能力の確保が課題となっている。10月15日、台湾国際スマートエネルギーウィーク「ENERGY TAIWAN 2026」の台湾パビリオンで開かれた講演では、関連企業が保守の現場で直面する課題や船舶整備の構想を紹介。安定稼働と不測の事態への対応を支える海上作業能力の重要性を示した。
講演には、洋上風力の運転・保守を手掛けるドイチェ・ヴィントテクニーク(DWT、台湾名:德唯特)、海事コンサルティングの大禹智水海事顧問、ノルウェーの船舶設計会社Skipstekniskが登壇した。
大禹智水海事顧問の盧禹晉総経理は、地政学的な情勢変化を踏まえ、台湾は海洋インフラへの投資を一段と積極化すべきだと指摘した。海底ケーブルの断線や港湾機能の停止などに対応できる、海事分野の強靱性を確保する必要があるとした。
同氏は「十大造艦」構想を提示し、海洋インフラの整備と、海事・国防分野の支援能力の強化を両立するために必要な船舶について提言した。海底ケーブルの敷設・修理船も、その一つに位置付けた。
Skipstekniskの営業マネージャー、Anne Mari Relling氏は、同社が設計するケーブル敷設船の機能を紹介した。風車同士をつなぐアレイケーブルや、発電した電力を陸上へ送る送電ケーブルの敷設など、複数の作業に対応できると説明。一部の大型船型は、海底ケーブルの修理機能も備えるという。
創業50周年を迎えた同社は、世界で300隻を超える船舶の設計実績を持つ。最近「シップ・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた「REM Pioneer」も同社が設計した。今回紹介した建造中の船舶には、台湾の国家海洋研究院(NAMR)向けの研究船も含まれ、2029年の引き渡しを予定している。
DWTは、洋上風力発電所の運転・保守に関する実務と現場の課題を紹介した。長期運営を見据えるうえで、船舶の確保や海上作業能力が、発電所の安定稼働と障害発生時の対応力を左右する重要な要素となることを示した。
このコンテンツはWindTAIWANにて公開されたものであり、
ENERGYNIPPONとのコラボレーションにより共有されています。






