ベスタス、長崎・秋田と風力人材の育成基盤を検討 国内で日本語研修へ
2026/10/29
(写真:経済産業省より)
デンマークの風車大手ベスタスは10月29日、NPO法人長崎海洋産業クラスター形成推進協議会(NaMICPA)および秋田県と、風力発電分野の人材育成基盤の整備に向けた共同調査の覚書を締結した。建設や運転・保守を担う技術者の確保に向け、国内で専門的な研修を受けられる体制を検討する。
調査では、人材育成の需要や研修の運営体制、技術・安全訓練に必要な機能を検証する。教育機関や業界関係者との連携に加え、日本語での研修提供も検討対象とする。ただし、今回の覚書は実現可能性の調査を目的としており、施設の設置や研修の国内実施を決定したものではない。
日本経済新聞の10月29日付報道によると、長崎県では経済産業省の補助金を活用し、早ければ2027年度の育成拠点設置を視野に入れる。洋上風力計画が進む秋田県でも調査を進めるという。
長崎には、既に研修の基盤がある。2024年11月に開所した「NOA TRAINING」は、年間1,000人規模の育成を想定した洋上風力人材の訓練施設で、高所作業や海上での安全行動など、国際的な訓練基準を定めるGWOに対応した研修を日本語と英語で提供している。
NaMICPAは、同施設の実績と講師陣を生かし、秋田を含む各地域で高度な技術研修を受けられる体制づくりを目指す。
人材育成は、風力発電設備の国内供給網づくりと並ぶ課題だ。ベスタスと経産省は今年3月、日本の洋上風力市場の拡大や確定受注などの条件が満たされることを前提に、2029年度までの国内でのナセル(発電機などを収める風車の主要部分にあたる)最終組立の実施に向け、協力することで合意している。
2025年に策定された「洋上風力産業ビジョン(第2次)」は、2040年までに関連人材約4万人を確保・育成する目標を掲げる。設備の導入拡大を支えるには、製造・建設だけでなく、長期の安定稼働を担う保守人材の育成も欠かせない。国内で技術を習得できる環境の整備が、地域の雇用と産業基盤を支える取り組みとなる。





