洋上風力で電力安定 

三重県、台湾半導体の拠点化狙う

2026/1/13


半導体関連投資の誘致を積極的に進める三重県が、洋上風力発電を活用した新たな産業集積の形成を構想している。県内にはキオクシアホールディングスの四日市工場をはじめとする大規模半導体拠点が集積しており、国の調査でも半導体を含む「電子部品・デバイス・電子回路の製造品出荷額等」は20年以上にわたり全国首位を維持してきた。

一見勝之知事は、半導体工場に不可欠な安定電源の確保を目的に、県東部の沿岸地域で洋上風力発電の導入を進める考えを示す。これまで中核であった四日市市周辺にとどまらず、沿岸部全体での産業振興を視野に入れる。


経済産業省の補助金を活用した企業の県内投資は、過去5年間で県内累計8142億円に達した。人口規模からすると、極めて大きな投資水準といえる。また、三重県は国が指定する「半導体振興地域」5地域の一つでもあり、電力・水資源・人材という三つの基盤条件を備える点を強みとする。


地理的には、中部地方の自動車産業集積地や、関西圏の家電・電子機器産業に近く、半導体の主要需要地へのアクセスに優位性がある。中国勢の台頭で電気自動車分野の競争が激化するなか、日本経済が自動車産業への依存を続けることへのリスクも意識されており、政府は半導体を成長産業かつ経済安全保障上の重要分野と位置づけている。

こうした中、三重県は台湾の半導体企業にも強い関心を示す。世界の半導体受託製造(ファウンドリー)は台湾と韓国に集中しており、台湾企業の間では海外拠点分散の動きも広がっている。一見知事は、熊本に続く「第二の拠点」として三重県が選択肢となることに期待を寄せる。


三重県はこうした動向を踏まえ、台湾企業の誘致も視野に入れる。一見知事は、台湾の半導体大手UMC(聯華電子)の経営陣と面会し、同社関係者が桑名市を訪問したことを明らかにした。また、UMCはデンソーと連携し、三重県桑名市で車載パワー半導体製造などの事業も進んでいる。


三重県東側が伊勢湾に面する地理的特性から、長期的な電力確保手段として洋上風力発電が現実的な選択肢となる。県は調査を進めつつ、電源立地と半導体工場立地を一体で検討し、産業集積の広域化につなげたい考えだ。


(資料参考:日経新聞、三重県半導体PR冊子)



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