韓国、21.4兆ウォンで港湾刷新 2030年までに洋上風力4GW対応インフラ整備へ
2026/7/23
釜山港(写真:Pexels)
韓国海洋水産部は7月、「第4次全国港湾基本計画修正計画(2026~2030年)」を公表した。
2026~2030年の5年間で総額21.4兆ウォンを投じ、港湾の競争力強化と物流機能の高度化を進める。デジタル化や脱炭素化に加え、洋上風力発電を港湾政策の柱の一つに位置付け、2030年までに約4GW規模の洋上風力開発を支える港湾インフラの整備を目指す。
世界的に洋上風力市場が拡大するなか、風車部材の製造や組み立て、輸送、据え付け、保守を担う港湾インフラの重要性は高まっている。韓国政府は、デンマークやベルギーの主要港が洋上風力サプライチェーンの中核拠点として機能していることを踏まえ、国内港湾でも同様の産業集積を形成したい考えだ。
計画では、木浦港と蔚山港の一部埠頭を洋上風力支援岸壁へ転換するほか、仁川港、泰安港、群山港では大型風車の組み立てや積み出し、保守拠点として活用する専用エリアを整備する。大型化が進む風車ブレードやタワー、ナセルなどの取り扱いに対応し、港湾の物流機能を強化する。
港湾をエネルギー拠点へ転換
今回の計画では、港湾を単なる物流拠点からエネルギー供給拠点へ転換する方針も打ち出した。
釜山港、蔚山港、唐津港では、LNG(液化天然ガス)に加え、メタノールやアンモニアなど次世代船舶燃料のバンカリング設備を拡充する。また、蔚山港では水素・アンモニア関連産業を集積する特化エリアを整備し、大山港や光陽港ではクリーンエネルギー物流拠点の形成を進める。
港湾機能の多様化を通じて、従来の貨物港から、グリーンエネルギー、スマート物流、高付加価値サービスを融合した次世代港湾への転換を図る。
洋上風力を産業政策と一体で推進
韓国政府は、洋上風力や水素・アンモニア供給網を港湾の長期発展戦略に組み込むことで、港湾競争力の向上に加え、関連産業への投資誘致やサプライチェーンの強靱化を目指す。
洋上風力では、発電設備そのものだけでなく、港湾や建設船、物流ネットワークを含めたインフラ整備が競争力を左右するとの認識が広がっている。韓国は港湾機能を強化することで、アジアにおける洋上風力サプライチェーンの中核拠点としての地位確立を狙う。
韓国の港湾政策は、物流インフラ整備の枠を超え、洋上風力を核とした産業政策へと重心を移しつつある。日本でも洋上風力案件の大型化が進む一方、SEP船やケーブル敷設船、港湾ヤードなどインフラ不足が課題となっている。
欧州では港湾がサプライチェーン全体を支える産業拠点として発展してきたが、韓国はこれを国家戦略として取り込み、港湾整備とエネルギー政策を一体的に推進する姿勢を鮮明にした。今後は、日本を含む東アジア各国でも、港湾インフラ整備のスピードが洋上風力産業の競争力を左右する重要な要素となりそうだ。
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