台湾初の洋上風力タービン火災 Ørsted彰化沖、原因究明へ Siemens Gamesaと調査
2026/8/21
台湾中部・彰化県沖で開発が進む大彰化西北洋上風力発電所で8月8日、風力タービン1基から火災が発生した。台湾で洋上風力発電の導入が本格化して以降、洋上の風力タービンで火災が確認された初の事例とみられる。人的被害はなく、他の風力タービンは通常運転を続けている。
事業者のデンマーク・Ørsted(オーステッド)は風力タービンメーカーのSiemens Gamesa Renewable Energy(シーメンス・ガメサ・リニューアブル・エナジー)と事故原因の調査を進めている。
台湾経済部能源署(Energy Administration)などによると、事故が発生したのは「G05」と呼ばれる風力タービン。8日午前3時29分ごろに設備の異常を検知し、安全保護システムが作動して自動停止した。その後、午前5時ごろに一部で出火が確認され、午前6時30分ごろまでに火勢は収まった。
Ørstedは同日午前7時ごろ、規定に基づき能源署へ事故を報告した。火災による人的被害は確認されておらず、損傷は当該タービンの一部にとどまったとしている。
事故後、ØrstedはG05を送電システムから切り離し、運転停止と隔離措置を継続している。周辺海域には安全区域を設定した。一方、風力発電所の他のタービンについては通常運転を続けており、現時点で風力発電所全体の運転に大きな影響は確認されていない。
Ørstedは、洋上風力発電所には複数の安全保護・設備隔離機能が組み込まれており、個別設備に異常が発生した場合には対象設備を自動的に停止・隔離し、他のタービンや発電所全体への影響を抑える仕組みになっていると説明する。今回も異常を検知したタービンが停止した後、他の設備は運転を継続した。
Siemens Gamesa製14MW級タービン
事故が発生したタービンはSiemens Gamesa製の14MW級機とされる。ØrstedはSiemens Gamesaと共同で損傷状況を確認しており、同社は事故原因を特定するための初期調査計画と、その後の修復に向けた対応策を策定している。
台湾メディアでは、タービン基部付近の電気設備が出火箇所だった可能性も報じられている。ただ、事故発生から約2週間が経過した21日時点でも正式な原因は明らかになっておらず、専門的な調査が続いている。
Ørstedは、今後の調査や復旧作業について「人員と作業の安全を最優先するとともに、周辺海域の環境に影響を与えないことを重視する」としている。調査の進展については台湾当局や主要な関係者に報告を続ける方針だ。
能源署も事業者に事故原因の究明を求めており、調査結果を踏まえて必要な修復計画や安全対策を確認する。
台湾洋上風力の安全管理に注目
台湾では彰化沖を中心に大型洋上風力発電所の建設・運転が相次ぎ、洋上風力が再生可能エネルギー政策の柱の一つとなっている。今回の火災は、台湾の洋上風力市場で初めて確認された風力タービン火災として、業界内でも注目を集めている。
特に、洋上では陸上に比べて消防や設備へのアクセスが難しく、事故発生時の遠隔監視、自動停止、設備隔離といった安全システムの重要性が高い。今回、事故機以外のタービンが運転を継続できた一方、出火に至った詳しい経緯については今後の調査結果を待つ必要がある。
Ørstedは、事実関係が完全に確認されるまでは事故原因や影響について推測を避けるよう求めている。今後公表される調査結果は、事故機の復旧だけでなく、台湾で拡大する洋上風力発電設備の安全管理や保守・運用(O&M)体制を検証する上でも重要な材料となりそうだ。
参考資料:UDN、オーステッドプレスリリース





