マムート、日本法人設立 東京重機と協業、洋上風力の大型施工体制を整備
2026/9/25
英国・スコットランドのニグ港に導入されたマムートのリンガークレーン。洋上風力発電関連の重量物吊り上げを担う同社は、日本でも国内案件のニーズに応じた特殊機材と技術支援を提供する。
重量物の輸送・吊り上げを手がけるオランダのMammoet(マムート)は9月1日、日本法人「Mammoet Japan株式会社」を設立した。8日にはクレーンリースの東京重機(東京・渋谷)との協業を発表した。特殊大型クレーンと国内の機材・人材網を組み合わせ、洋上風力や原子力発電、プラントなどの大型施工需要の取り込みを目指す。
1807年創業のマムートは、特殊大型機材とエンジニアリング技術を強みに、世界各地のエネルギー設備や大規模インフラの建設に携わってきた。日本企業に対しても、主に海外案件を通じて30年以上にわたりサービスを提供している。日本法人の設立により、国内で機材や人員を受け入れる基盤を整え、施工計画の立案から現場での遂行までを支える体制を強化する。
特殊大型クレーンと国内の施工力を組み合わせ
東京重機との協業の柱は、超大型の吊り上げに対応する「リンガークレーン」の国内導入体制の整備だ。マムートが特殊機材と海外で培った施工技術を提供し、東京重機が国内法令への対応や現場での作業を支える。
リンガークレーンの組み立て、設置、運用、分解には、補助クレーンや輸送用トレーラー、熟練した技術者などの確保が欠かせない。東京重機は保有機材と人材に加え、協力会社のネットワークを活用し、国内での施工を支援する。
両社は案件の計画初期から連携し、日本の法規制や現場条件を踏まえた施工方法を検討する。機材の供給に加え、関連作業を含めた実行体制を整えることで、安全性や工程、総コストを考慮した提案につなげる。
風車の大型化に対応、人材育成も視野
洋上風力では、風車や基礎構造物の大型化に伴い、重量物を扱う施工能力の確保が課題となる。浮体式を含む大型案件では、部材や構造物によって1,000~3,000トン級、あるいはそれ以上の重量物への対応が求められる。
マムートは、ノルウェーの浮体式洋上風力事業や英国・スコットランドのニグ港などでリンガークレーンの導入実績を持つ。こうした経験を日本の現場条件に合わせて活用し、国内事業者が早期に施工方法を検討できる体制を構築する。
Mammoet Japanの柿沼雄介社長は、数年先の案件を確実に遂行するため、今から準備を進める考えを示している。東京重機との協業を通じて機材調達や人材育成を進め、海外で蓄積した技術と経験の国内定着を図る方針だ。
東京重機の鶴岡卓社長も、安全性を最優先に、熟練したオペレーターや技術者による支援体制を整えるとしている。両社は国内事業者との対話を進め、将来の大型案件に対応できる施工基盤の構築を目指す。





