世界の風力、2050年に1万GWへ WWEA「ハンブルク宣言」、系統整備と投資拡大を提言
2026/9/30
写真:Hamburg Messe und Congress /Michael Zapf
世界風力エネルギー協会(WWEA)は9月24日、世界の風力発電の導入拡大に向けた「ハンブルク宣言」を公表した。2050年までに世界の累計設備容量を1万GW(10TW)に引き上げる必要性を示し、年間の新規導入量を少なくとも2倍に増やすよう呼びかけた。許認可の迅速化や電力系統の増強、資金調達環境の改善などを通じ、導入を阻む課題の解消を目指す。
宣言は、ドイツで開かれた国際展示会「WindEnergy Hamburg 2026」の会期中、24日に開催された「Global Wind Power Development Dialogue」での議論をまとめたもの。陸上・洋上を含む風力発電全体を対象とした産業界の提言で、各国政府が採択した導入義務ではない。
重点課題に据えたのは、許認可手続きと系統整備だ。審査のデジタル化や明確な工程管理により事業化を早めるとともに、送電インフラへの投資を促す。新興市場では、複数の資金源を組み合わせるブレンデッド・ファイナンス(Blended Finance)や保証制度などを活用し、投資リスクを抑えて民間資金を呼び込むことを求めた。
地域社会との関係では、住民への説明や意見聴取に加え、事業への共同出資・所有などを通じて経済的利益を共有する方向を示した。地域を開発のパートナーとして位置付け、風力発電への理解と参加を広げる狙いがある。
供給網については、国内産業の育成と、開かれた国際的な調達体制の両立を掲げた。競争力のある分野で地域の付加価値を高めつつ、コスト上昇につながる保護主義を避けるよう促している。このほか、既存風車の更新(リパワリング)や資源循環、公平な市場環境、知識・技術の移転など計10の行動分野を提示。標準化や研究開発、供給網の強化で企業間協力を進めるよう呼びかけた。
WindEnergy Hamburgは9月22~25日に開催された。主催者の閉幕時点の暫定集計によると、約40カ国から1,600社超が出展し、100カ国超から4万人超が来場した。主催者は、高い資金調達コストや利益率の低下、供給網の問題、長期化する許認可が重荷となる一方、世界の風力産業は成長を続けていると説明した。
会場では、発電設備の拡大を支えるインフラの整備も主要議題となった。系統接続や送電容量の不足に加え、洋上風力では大型化する風車の輸送・組み立て・保守に対応した港湾、物流網、供給網の重要性が指摘された。蓄電技術も専用展示エリアで取り上げられ、デジタル化や人工知能(AI)とともに、風力発電の事業性や電力システムとの統合を支える技術として関心を集めた。





